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多様な働き方

多様な働き方

テクノロジー、特にインターネットの飛躍的な普及とそれを活用した様々なサービスの出現で、企業への就職だけではない多様な働き方が可能となりました。それに伴い、私たち65+(65歳以上)の仕事選びの選択肢が広がっています。
例えば、その一つとして、「ギグ・エコノミー」があります。新たな経済形態であり、従来の経済システムに替わるものとして注目されています。単発の仕事を受注するワークスタイルと、それによって成立する経済といわれ、代表的なものに配車サービス「UBER(ウーバー)」があります。なお、「ギグ(gig)」とは、単発または短期間の仕事を表す言葉です。
これと類似したものに、当協議会で取り組んでいる熊本版GBERがあります。働き方としては、モザイク就労と名付けられたワークシェアリングです。

(東京大学ホームページ内GBER紹介ページ)

この他にもインターネットを使った在宅で空いた時間に仕事ができるクラウドソーシング等いろいろ出てきています。
私たち65+の仕事選びでも、企業への就職だけにとらわれず、これらも選択肢の一つとして検討することは自分にあった仕事探しに有益と思われます。

いずれにしろ、多様な働き方のひとつひとつは、あなたが今までの考え方を変え、あらためて自分の居場所と出番を決める際の選択肢です。下記にその例を示します。参考にしてください。

私たち65+、多様な働き方の概観

■官公庁、団体、企業等で

「正職員」「契約職員」「派遣職員」「嘱託職員」「臨時職員」「パート」「アルバイト」等で働く。
戦後、戦争で働き盛りの男性が亡くなったため、若い団塊世代・ポスト団塊世代の労働力に託さざるを得なかったといわれています。この団塊世代・ポスト団塊世代という若者の創造力と知恵で日本が奇跡的な経済成長を遂げたのです。リーマンショック以降、停滞している経済の活性化。同じことを、今、団塊世代が若者の仕事を奪うことなく若者のサポートをして、今の若者が創造力や知恵を活かせるように支援したいものです。幼稚園での園児の送り迎えや預かり等若者の子育ての支援、あるいは、若者の親の介護支援等があるでしょう。
これは、政府の有識者会議「人生100年時代構想会議」に有識者として招かれたリンダ・グラットンが「ワーク・シフト」の中で述べている、3つのワーク・シフトの第3のシフトである「所得と消費に重きを置くのでなく、社会貢献など情熱をいだける有意義な経験としての働き方」に通じるものです。未来を先取りして挑戦するのも一考と思います。
このことで、団塊世代は、2度、日本に貢献することになるでしょう。


■個人事業主として

★シルバー人材センターで請負・委任の仕事をする
シルバー人材センターは、高年齢者が働くことを通じて生きがいを得ると共に、 地域社会の活性化に貢献する組織です。
そして、高齢者にふさわしい仕事を企業、一般家庭、公共団体等から引き受け会員に提供し、会員は「自主・自立、共働・共助」の理念のもとに、自分の体力・能力・希望に応じて働くことができます。
なお、請負・委任は、会員がシルバー人材センターから提供された仕事に就いた場合、法律上は個人がその仕事を請け負ったこと、または任されたこと(再請負、再委任)になります。請負の仕事は、会員の裁量で選び、選んだ仕事は責任をもって完成又は遂行させます。報酬は会員の働いた仕事の内容に応じて「配分金」というかたちで受け取ります。
請負・委任のほかに、人材派遣、有料職業紹介を行っています。現在、人材派遣に積極的に取り組んでおられます。
各地のシルバー人材センターでは、さらに、地域社会への貢献を「見える化」する取り組みを今以上に充実させ、併せて高齢者を主体とする社会運動体として地域に不可欠な存在であることを自他ともに認めてもらうための努力をされておられます。
例えば、「地域貢献活動」として、八代市シルバー人材センターの「八代市内の空き家・空き地管理ワンストップサービス事業」、東京都立川市シルバー人材センターの「小学校低学年児童の下校時通学路安全見守り活動」、大阪府河内長野市シルバー人材センターの生後7ヶ月〜7歳の子供を預かる「にこにこルーム」、東京都町田市シルバー人材センターの「認知症サポーター」養成講座受講者による「認知症サポーターキャラバン」等全国各地での取り組みです。
ぜひ、いきがいづくりや健康維持のためにも、参加して、地域貢献活動に挑戦してみてください。

熊本県シルバー人材センター連合会


★有償ボランティア

ボランティア活動を行い、実費や交通費、さらにはそれ以上の金銭を得る活動を「有償ボランティア」と呼ぶ例もあります。市民活動を支援するNPO等で募集がされているようです。インターネットで「熊本 有償ボランティア」と検索すると募集中であれば出てきます。

熊本市市民活動支援センターあいぽーと

あいぽーとボランティア情報


★フリーランス

特定の企業や団体、組織に専従しない独立した形態で、自身の専門知識やスキルを提供して対価を得る人のことをフリーランスといいます。
広義のフリーランスは、大きく独立系フリーランスと副業系フリーランスに分けられます。
独立系フリーランスは企業や組織に属さず雇用関係を持たない法人経営者(個人事業主)、個人事業主、すきまワーカー(開業届未提出の個人)です。多くは業務委託契約や準委任契約で仕事を請け負います。
副業系は事業主に雇用され、すきま時間を使って個人の名前で仕事をしています。
大まかにフリーランスの職種は3つの分野に分けられているようです。デザイナー、編集者、コピーライター写真家等のクリエイティブ系、エンジニア、コンサルタント等ビジネス系、美容師、スポーツトレーナー、講師等の職人系です。
仕事の獲得経路は、人脈、過去現在の取引先等、いわいる縁故が大半のようです。
フリーランスのネックは収入の不安定さですが、年金のある私たち65+には、上述の業種の経験者で縁故のある人には検討の価値があります。

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会


★クラウドワーカー

フリーランスの一変化型といえます。クラウドソーシング(crowdsourcing)を通じて業務を受注し勤務する労働者をいいます。クラウドソーシングはウェブ上の仲介サービスを通じて行われる、業務単位のアウトソーシングといえます。
企業の視点からみれば、労働者が従来担ってきた業務を,必要に応じてフリーランサーに委託(外注)することにより,人件費を削減することができます。
他方、フリーランスは,十分な所得保障がないなか不安定な地位に置かれ,様々な生活リスクに対して自ら備えなければならないことになります。
いずれにしろ、仕事の約5割が東京から発注され、約9割が東京以外で受注されています。そこに目をつけた宮崎県日南市は、地方で働く機会を増やすため、2014年、クラウドソーシング会社と提携し、月20万円稼ぐクラウドワーキング促進の取り組みを開始しています。クラウドワーキングは、家で仕事をしたいパソコンの得意な65+に向いた仕事かもしれません。


★パラレルキャリア

一人で複数の仕事、あるいは仕事+ボランティアをする働き方です。
現在、副業に肯定的な潮流になってきており、これからの働き方として注目できます。スキルの高いプロボノと呼ばれるボランティアとの二刀流も多いようです。
ピーター・ドラッガーが第二の人生の問題を解決する3つの方法として、2番目にあげています。なお、リンダ・グラットンは、「ライフ・シフト」でパラレルキャリアを「ポートフォリオワーカー」とよんでいます。
パラレルキャリアというと何か真新しい感じがしますが、実は、そうではなく、これまでの人類の歴史の中では当たり前のことでした。今のように「会社勤めだけで生きていける」ことはなかったのです。
江戸時代の江戸は、武士も含め国民総パラレルキャリア時代と呼べるほど、知恵を絞っていろんな仕事を掛け持ちするのが普通だったといわれています。仕事だけではなく、ボランティアもありました。江戸時代に使われた「朝飯前」という言葉がありますが、文字通り朝ご飯を食べる前にする「働き」のことだそうです。向こう三軒両隣に声をかけ、母子家庭や父子家庭、独居高齢者の暮らしに困ったことが起きていないか様子を見て、世話をすることが主な内容でした。それも無報酬で行っていたようです。そして、朝食後稼ぐための仕事をしたのです。
余裕のある65+だからこそ、地域に居場所をつくる一つの選択肢として考えてもらいたいことです。ピーター・ドラッガーのいう第二の人生でのパラレルキャリアは、この意味で参考になります。


★ノマドワーカー

オフィスもデスクも企業の肩書も持たず、一人でインターネットのつながる場所を転々として仕事をするフリーランスです。フリーランスは仕事の契約形態の1つで、ノマドワーカーは、働き方の一形態になります。
業種としては、ライター、SE、プログラマー、コンサルタント、デザイナー、ブロガー、インスタグラマーが多いようです。クラウドソーシング同様、生活に余裕があり、このようなスキルを持っている、外出好きな65+なら挑戦する価値があるでしょう。


★ワークシェアリング

1つの仕事をそれまでよりも多い人数で分かち合うことを指す言葉であり、ワーキングシェアとも呼ばれます。
驚くことに、江戸時代にも下級武士の間には3日に1日出勤するという「三番勤め」というワークシェアリングがあったのです。江戸幕府は基本的に世襲制でリストラをしなかったため膨大な人員を抱えていました。しかしながら、それほど仕事があるわけでなかったため、1人で済むところを3人雇って分担するという、今でいうところの多様就業型ワークシェアリングという勤務体制になっていたそうです。
そして、この空いた時間に下級武士は内職をしていました。これは前述したパラレルキャリアです。これによって、武士を辞めても自立して逞しく生きる技術を身につけることができたそうです。
私たち65+も、3日に1日出勤するという「三番勤め」のボランティアをして、空いた時間に仕事をするのも「いきがい」になるかもしれません。歴史は繰り返します。江戸時代の庶民の働き方を参考に自分の就労を考える良い機会かもしれません。


■起業して

★ワーカーズ・コレクティブ(労働協同組合)
仕事がなければ、自分たちで出資し、共同で経営して働こうというものです。
熊本でも活動しているワーカーズ・コレクティブがあります。介護・生活応援では6団体、子育て応援では3団体、配食、共同購入(配送)、お店共同購入、食育は、各1団体があります。

・労働協同組合グリーンコープ 福祉ワーカーズ・コレクティブ連合会
・ワーカーズコープ・センター事業団

このように、すでに立ち上がっているワーカーズ・コレクティブを参考に仲間と話し合って、ぜひ、ワーカーズ・コレクティブで仕事をつくるのも一つの方法です。


★藤村靖之氏(非電化工房)が推奨する「月3万円ビジネス」

月に3万円しか稼がないビジネスで、社会にいいことだけをテーマに、自分が本当にやりたかったこと、自分の得意や長所を活かせることで、愉しく稼ごうという考え方です。このビジネスには競争がなく、仲間と協力して進めることができます。みんなで生み出して、みんなで教え合う。このようなメリットがあります。会いたい人もいない、行くところもない、することもない。このようなことで悩んでいる方も検討してみてください。

・非電化工房ホームページ


★ソーシャル・アントレプレーナー(社会起業家)

起業してその事業を通じて社会問題の改善を図る。
有名なものでは、バングラデシュの2006年ノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌスによるグラミン銀行があります。
日本では、宮城県山元町の農業生産法人GRAによる先進的ITを用いたイチゴ等の生産や、気仙沼ニッティングによる手編み商品の企画・開発等がよく知られています。


★アントレプレーナー(起業家)

独創的なビジネスアイデアと技術で新しい市場を切り開く。
福沢諭吉は、講演で「企業人のあるべき姿」について、こう語っています。
「思想の深遠なるは哲学者のごとく、心術の高尚正直なるは元禄武士の如くにして、これに加うるに少俗士の才をもって、これに加うるに土百姓の身体をもってして、はじめて実業社会の大人たるやし」。
今の時代にも通じる言葉ですが、激変するテクノロジーとグローバル化の時代には、欧米人の合理的な発想法でつくられた起業の方法論も参考になります。その代表として、日本のトヨタ自動車の生産方式をアメリカでリーン生産方式として体系化したものをベースにした「リーン・スタートアップ」の考え方は、失敗が許されない65+の起業にとっては非常に有益です。
起業を目指している方は、行き当たりばったりでない、成功確率の高いこのスタートアップ(起業)の考え方を参考してください。

私たち65+、多様な働き方の探し方

平成25年の転職入職者数(どの機関を経由して再就職したか)
入職者の入職経路は、広告32.8%、縁故25%、ハローワーク+ネット26.6%、民営職業紹介所3.3%等です。
ただし、企業規模別に見ると、5~99人規模でハローワークは28.0%となり、広告の27.6%や縁故の26.6%よりも割合が大きくなります。熊本の場合、中小企業が多いので、ハローワークを頼りにするのが有効かもしれません。

厚生労働省「入職者の入職経路に関する分析」平成26年9月より

就労と起業等の情報収集先

仕事探しや求人情報は、現在、インターネットの活用も多くなっています。就労に関する情報を提供しているサイトは、インターネット上には下図のように似たようなものが複数あり、選択に困るのが現状です。また、そこに自分に必要な情報があるのか、あるいは、そこで相談できるのか、しっかりサイト内を閲覧しなければわかりません。自分が求めているサイト捜しをすばやく的確にすることは、検索の仕方で効率が左右されます。「熊本 高齢者 仕事」をベースに、シニア、エルダー、就職、転職等いくつかのキーワードの組み合わせで検索してください。
新聞での求人情報は、熊本日日新聞社の日曜朝刊や無料配布されている「すぱいす」、熊本リビング新聞などに掲載されています。
コンビニや一部の書店には、3・4種類の無料リクルート雑誌やフリーペーパーが置いてあり、65+に関する求人情報の専用ページがありますが、まだまだ、情報量としては少ないようです。
また、仕事探しにおいても、縁故はかなり有効な手段です。人的ネットワークを見直し、顔の広い人にアタックしましょう。

まずは、私たち「生涯現役プラザくまもと」にご相談ください。
あなたに最適なマッチング機関や起業相談所等をご案内します。

相談時間
月曜日〜金曜日(休み、土日・祝日、年末年始)
9:00〜12:00
13:00〜16:00
※相談業務を円滑にするため、できるだけ事前に電話をお願いします。

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☎096-327-8777
Fax096-325-8083
熊本市中央区南千反畑町3番7号
熊本県総合福祉センター1階

【コラム】

定年退職後は、所得や消費のためではなく、いきがいを感じる有意義な経験ができる仕事につくのが理想です。この仕事探しの参考に、政府の有識者会議「人生100年時代構想会議」に有識者として招かれたリンダ・グラットンの著作を紹介します。私たち65+にも参考になりそうです。

リンダ・グラットン著
ワーク・シフト−孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉−
プレジデント社刊、池村千秋訳
2025年、私たちはどんなふうに働いているだろうか?
「漫然と迎える未来」には孤独で貧困な人生が待ち受け、
「主体的に築く未来」には自由で創造的な人生がある。
どちらの人生になるかは、〈ワーク・シフト〉できるか否かにかかっている。
・第一のシフト(ゼネラリスト→連続スペシャリスト)
一つの企業の中でしか通用しない技能で満足せず、高度な専門技能を磨き、他の多くの人たちから自分を差別化するために「自分ブランド」を築くこと。
※さまざまな専門技能を次々と身につけることを意識して行動する。
・第二のシフト(孤独な競争→みんなでイノベーション)
難しい課題に取り組むうえで頼りになる少人数の盟友グループ、イノベーションの源泉となるバラエティに富んだ大勢の知り合いのネットワーク、そして、ストレスを和ませるための打算のない友人関係という三種類の人的ネットワークを育むこと。
※善良に、そして精力的に振る舞い、いろいろなタイプの興味深い人たちと繋がり合う。
・第三のシフト(金儲けと消費→価値ある経験)
大量消費主義を脱却し、家庭や趣味、社会貢献などの面で充実した創造的経験をすることを重んじる生き方に転換すること。
※所得と消費に重きを置くのではなく、情熱をいだける有意義な経験をしたいという思いに沿った働き方を選択する。